研究も、生活も、新たな発見の連続―オランダ・アイントホーフェン工科大学派遣体験記
本プロジェクトメンバーの博士課程学生である奥崎秀俊さんが、オランダのアイントホーフェン工科大学(TU/e)で研究滞在を行いました。材料の疲労特性評価に関する共同研究に取り組むとともに、現地での交流や生活を通じて貴重な経験を得ました。

従事した研究内容
北海道大学で作製した材料サンプルを用いて、材料の疲労特性評価に関する研究に取り組みました。サンプル作製や基礎的な力学試験は北海道大学で行い、本学には置いていない数万回スケールの試験に対応した装置を使った実験をTU/eで行う計画でした。
しかし、滞在期間中にすべての実験を完了することはできなかったため、今後は北海道大学で作製したサンプルを現地へ送付し、引き続き共同で測定や解析を進めていく予定です。
また、11月には現地研究メンバーを共著者に加えた研究成果を学会で発表する予定であり、本派遣をきっかけとした国際共同研究が今後も継続していく見込みです。さらに、研究テーマは今後学部生へ引き継ぐ予定であり、学生同士を含めた研究交流も続けていきたいと考えています。

現地での生活・印象に残ったこと、異文化体験など
TU/eでは、研究とプライベートの切り替えが非常に明確であることが印象的でした。実験室は夜間や週末の利用が制限されており、日本のように遅くまで研究を続けることが難しい環境でしたが、その分、研究計画をしっかり立てて効率的に実験を進める意識が強く求められていました。
また、当初案内されたデスクは配属研究室ではありませんでしたが、周囲の研究者や学生が気さくに話しかけてくれ、歓迎パーティーまで開いてくれるなど、とても温かく受け入れてくれました。研究室では誕生日の人がケーキやお菓子を振る舞う文化があり、リフレッシュルームでは頻繁に誕生日パーティーが開かれていました。こうした文化から、研究室内の交流を大切にする雰囲気を感じました。

アイントホーフェン工科大学は理系の学部しかない大学ですが、キャンパスを大きく、学生もたくさんいました。学内には公園もあり、ピクニックをしている人もたくさんいました。
生活面では住居探しに苦労し、ホテルと2か所のAirbnbを転々とすることになりました。しかし、そのおかげでさまざまな国籍の留学生やホストファミリーと交流する機会に恵まれ、多様な価値観や生活習慣に触れることができました。滞在中に体調を崩した際には、Airbnbのホストが親身になってサポートしてくれたことが特に印象に残っています。
オランダは物価が高く、外食の機会は限られていたため、自炊中心の生活を送りました。一方で、水道水を気軽に飲めることや、多くの人がマイボトルを持ち歩いていること、キャッシュレス決済が広く普及していることなど、日本との違いを日常生活の中で数多く経験しました。研究だけでなく、こうした生活面での発見も大きな財産になったと感じています。
派遣を通じて得た学び・これから海外留学される方へのメッセージ
留学前は英語でのコミュニケーションに不安がありましたが、実際には完璧な英語力がなくても、積極的に話しかける姿勢があれば十分に意思疎通できることを学びました。身振り手振りや翻訳ツールも活用しながら交流を重ねた結果、帰国前には周囲から「英語が上達したね」と声をかけてもらうことができました。
また、海外では研究そのものだけでなく、人とのつながりや異文化理解も非常に重要だと感じました。今回築いた研究ネットワークは今後の共同研究にもつながる見込みです。TU/eは研究環境が充実しているだけでなく、多様な国籍の学生や研究者と交流できる魅力的な環境です。ぜひ多くの後輩に挑戦してもらい、この交流の輪を広げていってほしいと思います。





